理事長所信

2019年度 公益社団法人加賀青年会議所

理事長所信

【はじめに】

覚悟を持って行動しよう 

平成という一つの時代が終わりを迎え、2019年は新たな時代の始まりであるといえます。戦後の焼け野原から復興を遂げた日本は、高度成長期を経て国際社会にも影響を与えるほどの経済大国となりました。しかし、近年の日本は、地震や温暖化を要因とした異常気象などによる大規模な災害や、世界規模で先行きが見えずデフレを脱却しきれない経済、急激な人口減少と少子高齢化社会など多岐にわたる難題を抱えると共に、一方ではインターネットの一般化に象徴される高度情報化社会の実現やテクノロジーの進化、人工知能の発達による第4次産業革命の到来など、まさに混沌という時代を迎えています。そして、今後は更に急速な変化を遂げ、今までの常識や価値観が簡単に覆るような世の中になっていくことでしょう。この移り変わりの激しい時代において、我々はどのような意識を持つべきなのでしょうか。過去にとらわれ、時代の変化に悲観して立ち止まっていても時はただ過ぎ去ってしまいます。これまで、産業革命や高度成長期といった新たな常識や価値観が生まれる節目が必ずあったように、平成という一つの時代が終わる今こそが新たな時代への入り口なのだと受け止め、明るい未来に向けて我々は歩みを進めていかなければなりません。いつの時代も変化の起点となり率先して行動することが、JAYCEEたる所似だと信じます。激動の時代を先駆ける青年として確固たる気概と覚悟をもって青年会議所運動に取り組んでいきましょう。

 

【基本理念】

不易流行 ~変えてはいけないものと変えていかなければならないもの~

不易流行とは、松尾芭蕉が大聖寺、山中温泉も訪れた「奥の細道」の旅の中で見出した概念といわれています。「不易」とは、どんなに世の中が変化をしても変わらない不変の真理であり「流行」とは、時代や環境の変化によって革新されていくものを指しています。

「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」

すなわち、「不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、変化を知らなければ新たな進展がない」という意味であり、この「不易」と「流行」の根源は一緒であるという概念です。

これは、まさに青年会議所運動そのものだと思います。我々は「変えてはいけないもの」と「変えていかなければならないもの」をしっかりと見極める目を育んでいかなくてはなりません。

では、我々にとって「変えてはいけないもの」とは何か。それは創立より変わらずに続く諸先輩方の崇高な志と熱い想いです。1965年9月12日、全国で307番目の会員会議所として創立された加賀青年会議所は、いつの時代も「明るい豊かな社会の実現」という崇高な志を掲げ、愛する地域の発展や次世代を担う青少年のために熱い想いを持った青年と共に歩んでまいりました。こうした諸先輩方の崇高な志と熱い想いは、言うなれば加賀青年会議所らしさという素晴らしい伝統であり、我々はこの伝統を次の世代に繋いでいかなくてはなりません。

次に「変えていかなければならないもの」とは何か。それは、様々な社会環境が急速に変化する現在、つねに新鮮な情報を取得し、社会変化の潮流に乗り遅れる事なく、我々に何が必要とされているのかを考え、時代に先駆けた事業に挑戦する事だと思います。

創立から55年という節目を迎える本年、これまで連綿と紡いできた諸先輩方の熱い想いと加賀青年会議所らしさという「不易」を忘れることなく、また時代と共に変化することを恐れず「流行」を求めて行動することこそ、我々が地域を牽引するリーダーとしてのあるべき姿だと考えます。今こそ我々が為すべき事は何か、青年が挑戦するべき事は何か。地域の発展につなげるために積極的で前向きな変化をもたらす運動を展開してまいります。

 

【基本方針】

活力溢れる地域の創造を目指して

公益社団法人加賀青年会議所は創立50周年の節目に「加賀JC未来構想 まんなかが!」を発表しました。その中で、我々の目指すべき「加賀の理想像」は「加賀にしかない個性的な魅力がたくさん溢れ、加賀に住むすべてのひとが未来に希望を持てるまち」と掲げ、我々が加賀における世代・地域・組織の真ん中に立って周りを巻き込み、率先して人と人を繋げ行動することを宣言し、加賀の理想像へ向かって歩みをすすめてまいりました。この歩みのなかで、我々は歴史や文化、伝統工芸や自然、食など加賀にしかない個性を見つめ直し、その個性を加賀に住む人をはじめ多くの人に認識してもらうことで「加賀ブランド」の確立を目指す事業を行ってきました。こうした活動により、まずは加賀に住む人たちが自らのまちに誇りや愛着を持つことに主眼を置き、自ら住むまちにこれからも住み続けたい、加賀を更によくしたい、次世代に残したいと思えるような「加賀を想う心」を持った人を育んでまいりました。

我々はこれまで行ってきた活動を踏まえ、従来の発想に捉われることなく、まちに対して主体的な行動を促す機会を創出し、加賀のさまざまな人を巻き込みながら、これからも世代・地域・組織を繋ぐ架け橋として「加賀を想う心」を持った人を育む役割を果たしていきます。この「加賀を想う心」を持つ人こそが活力溢れる地域の原動力であり、こうした人々と共に行動に移すことで我々の掲げる加賀の理想像の実現へ更に近づき、活力溢れる地域の創造に繋がっていくはずです。

 

災害に対する心構えと備え

2011年に発災した東日本大震災から8年余りが経ちますが我々の記憶に当時の惨状は今でも深く刻まれております。そして、毎年のように全国各地で豪雨災害や規模の大きな地震が起こり大きな被害が発生しています。我々の住む加賀においても、いつどの様な災害が起こるか予測できず、防災・減災といった取り組みが求められます。

我々は2016年に加賀市社会福祉協議会と災害時における協力に関する協定を締結しておりますが、改めて青年会議所として防災・減災に対する関わり方を見つめ直し、まずは会員一人ひとりが自覚を持って防災・減災への意識を高め、更には市民へその意識を波及できるような機会を提供します。また、有事の際には行政や関係団体とスムーズな連携を取れるような繋がりを構築してまいります。

 

これからの時代に求められる能力

高度情報化社会の実現やテクノロジーの進化など、技術の進歩により大きく世の中が移り変わっています。小学校ではプログラミング教育の必修化が2020年から始まり、課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶアクティブラーニングも取り入れられています。様々な作業や職業が人工知能やロボットに置き換えられ、社会から新しいスキルの習得を求められる時代です。こうした未来に立ち向かう青少年に我々が伝えるべきことは、人としての本質的な力、先の見えない社会で生き抜くための力ではないでしょうか。

現在は膨大な情報に溢れています。インターネットの普及により、様々な知識を得るためのアクセスを容易とした反面、知識を蓄えることの重要性は低下したように思います。今後より一層重要になってくるのは、その知識を活用して自ら考える力です。社会に出れば様々な課題を解決する能力が求められます。未知の問題に答えを生み出すための「思考力」、多様な価値観を共有する他者とコミュニケーションを通して現実の問題を解決する「実践力」、情報リテラシーといった技術革新を背景に情報化時代を生き抜く「基礎力」といった21世紀型能力を磨いていかなくてはなりません。我々はこれからの時代を見据え、こうした能力を育む機会を創出してまいります。

 

自己成長と組織の存在意義の高まり

「青年会議所とは人生最後の学び舎である」青年会議所に対してこのような言葉を聞いたことがあります。青年会議所で仲間と共に一つの目的に向かい、時には深夜まで議論を交わし、喜びや辛さ、汗や涙を分かち合う。青年会議所は成人して世に出た後に、多くの自己成長の機会を与えてくれる団体であります。ただし、ただ待っているだけでは何も得ることはできません。積極的な参加によって自らが何かを掴まなければならないのです。40歳までという限られた時間の中で、いかに多くの機会を掴み、自らの成長に活かすことができるか。現状に満足することなく何事にも挑戦するという強い意志を持ち、行動することができるか。我々会員が常にこうした意識を持って青年会議所運動と向き合い、様々な学びや経験を積むことによって自己成長ができれば、会員各自の家庭や会社、更には地域や社会に対する貢献に必ず繋がっていきます。そして、実際にこのような姿勢で会員各自が切磋琢磨しながら妥協することなく議論を重ね事業を構築し、この地域に良い影響を与えることで、地域からも必要とされる組織として公益社団法人加賀青年会議所の存在意義が更に高まり地域を動かす源になると信じます。

 

<会員開発委員会>

40歳で必ず卒業を迎える青年会議所において、この組織を未来へ紡いでいくために、新たなる会員を迎え入れることは必要不可欠です。我々が社会に価値ある組織であり続けるために、また地域の未来に夢を描き、率先して行動する人財を加賀に増やすためにも全員で会員拡大に取り組まなくてはなりません。会員各々が青年会議所に入会したことで何を得たのか、今一度その原点に立ち返り青年会議所の魅力を自分の言葉で発信して、まだ見ぬ同士を入会に導いていただきたいと思います。そして、全会員の意識の醸成を図り、年間を通じて戦略を立てて会員拡大に邁進してほしいと思います。また、我々は地域の未来を担う青年経済人として、自らが地域を創る担い手としての意識を常に持たなくてはなりません。我々が加賀の未来を牽引するリーダーとなるべく、地域が抱える課題を解決へと導くために指示や命令で人を動かすだけではなく、地域や仲間と誠実に向き合い信頼を得るための資質を向上できる場を、青年会議所のスケールメリットを活かして提供していただきたいと思います。また、新年交流会では55周年のスタートにふさわしい情報発信の場とすると共に、諸先輩方をはじめとする多くの人々との出逢いを有意義なものとするべく企画運営していただきたいと思います。

 

<地域協働委員会>

 近年個々の価値観が多様化してきていることに伴い、我々の住む加賀においても、防災、経済、教育、生活環境など様々な側面にて地域課題が山積しているように思います。この難題と向き合い加賀をより明るい豊かなまちへと変革するために、我々は「若き能動的市民の主導的なグローバルネットワークになる」というJCIビジョンに則り、行政や市民、各種団体の架け橋となって地域を巻き込みながら、市民と共に地域の特性を踏まえたまちづくりを推し進めていく必要があります。

そこで、地域力向上アワーでは、様々な地域課題の中から防災・減災に焦点を当て関係団体と協働で事業構築し、我々会員をはじめ加賀に住む市民一人ひとりの防災・減災の意識醸成を図ることで、地域力向上に努めていただきたいと思います。

地域活性化事業においては、我々はこれまで加賀ブランドの確立のもとに、様々な団体・組織と共に事業を展開してまいりました。近年では、公益社団法人日本青年会議所本会においてもSDGsの推進を掲げ、誰もが取り残されない持続可能な社会への改善を目指す新たな運動が活発化しております。そこで、我々も今だからこそ従来とは異なる新たなアプローチで行政・学校・企業・民間団体・市民などのこれまでの繋がりを踏まえて、中高年世代から青少年の世代に至るまで各世代がサポートし合えるような世代間の交流を意識した地域活性化事業を構築し、「加賀を想う心」を持つ人を更に育んでいただきたいと思います。

 

<人財育成委員会>

この地域の次世代を担うのは加賀に住まう青少年であります。そんな青少年に対して、「加賀を想う心」を育んでもらうために、継続事業である加賀郷土かるた取り大会では、創始の想いを継承して、加賀が誇る歴史や文化、伝統工芸や自然といった加賀の個性について絵札を通じてしっかりと学び、郷土愛を深めていただきたいと思います。わんぱく相撲大会では、国技である相撲を通じて「礼儀」と「礼節」の大切さを知り、健全な心身を育くんでいただきたいと思います。また、検索すればいくらでも情報が得られ、知識を詰め込むことの価値が相対的に下がっている現代において、青少年を対象に、これからの時代に必要な21世紀型能力を育む事業を展開していただきたいと思います。

 

<事務局>

組織の中枢を担う事務局には、我々の活動の意思決定機関となる理事会や総会などの各会議において、有意義で充実した議論を交わせる場となるようルールを徹底し規律ある組織運営を心がけてほしいと思います。また、各委員会と連携を密にしてサポートし、強固な組織の下支えとなっていただきたいと思います。

広報においては各委員会と意思疎通を図りながら我々が日々行っている活動を正確にホームページやブログを用いて発信するはもちろんのこと、各種マスコミにも常に働きかけ、総合的に広く情報を発信していただきたいと思います。そして、公益社団法人加賀青年会議所の認知度と存在感を高めていきましょう。また、卒業式では卒業生のこれまでの青年会議所活動に敬意を表し、皆の心に残る事業にしていただきたいと思います。

 

<財政局>

我々は会員の大切な会費によって活動をしています。だからこそ、貴重な会費を無駄なく適正に使用されているか、限られた予算を効率的に利用されているかを各事業の費用対効果の観点から厳密に審査していただきたいと思います。そして、事業の内容に対して最大限の効果を引き出せるように、事務局や各委員会とコミュニケーションを密にして事業の本質を吟味し、事業目的の達成をサポートしていただきたいと思います。更に、公益社団法人に関する監督官庁の窓口として申請手続きを行うと共に、今後も継続的に運営できる仕組みを考えていただきたいと思います。

 

<55周年実行委員会>

本年創立55周年を迎えるにあたり、会員一人ひとりが今日の公益社団法人加賀青年会議所を築いてこられた諸先輩方に感謝と敬意を表すと共に、改めてこれまでの歴史と伝統並びに、我々の存在意義を再認識し、今後進むべき方向性を示す55周年記念式典を開催します。また祝賀会においては、ご出席いただく来賓の方々や諸先輩方と創立55周年を共に祝い、より一層の親睦を深め、過去の活動・運動に対する経験をご教示いただくと同時に、これからの活動・運動に対して深くご理解いただく場となるよう企画運営します。

 

【最後に】

数ある団体の中で、我々は公益社団法人加賀青年会議所に入会することを選択しました。青年会議所運動において、我々は自分を信じ、仲間を信じることで、今までの自分では乗り越えることのできなかった高い壁も乗り越え、自分たちの可能性が広がる喜びを感じているはずです。そのことは青年会議所だからこそ味わうことのできる醍醐味であると思います。しかしながら、大切な家族、会社の時間を青年会議所に注ぎ、たくさんの人を巻き込みながら活動していることも事実です。だからこそ我々は、家族や会社の仲間の理解と協力があることを決して忘れてはならず、常に感謝の気持ちを持たなくてはなりません。そして、青年会議所を通じて享受できた喜びを、必ず自分の身近な人へ、自らの大きな成長と共に伝え、共感を得ることが我々の責務なのです。

いまこの瞬間、できること、やれること、やりたいことに対して全力で取り組み、自分自身が描く理想の未来に向かって一生懸命行動しよう。不平不満やできない理由を並べ、最初から無理だと思わずに、前向きに捉え自分の成長につながると信じて自ら行動しよう。

 

自分らしくJAYCEEらしく覚悟を持って行動しよう。