理事長所信

2020年度 公益社団法人加賀青年会議所

理事長所信

はじめに

~昭和から平成、そして令和へ~

昨年、今上天皇退位と皇太子徳仁親王の即位に合わせ、新元号「令和」が発表されました。「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という想いが込められ、悠久と歴史と香り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄からしっかりと次の時代へと引き継いでいく、厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように一人ひとりの日本人が明日への希望と共にそれぞれの花を大きく咲かせることができる、そうした日本でありたいという願いが込められたことから、まさにこれからの公益社団法人加賀青年会議所と一様さを感じました。

戦後、昭和の日本は奇跡の復興と成長を遂げてきました。高度成長期を経て国際社会にも影響を与えるほどの経済大国へと成長し、そして1965年、一輪の花がこの加賀に咲き誇りました。55年もの長きに亘り加賀の地において「明るい豊かな社会の実現」という目的を掲げ、これまで加賀青年会議所はたくさんの先輩諸兄の手によって崇高な志と熱き想いが受け継がれ、いつの時代も愛する加賀のため、これからの未来を担う子どもたちのために、熱き志を持った仲間と共に歩んでまいりました。

平成という一つの時代が終わりを告げ、令和という新たな時代を迎える今。世界情勢は大きく変化し、日本はバブル景気から長期停滞の危機へと歴史を辿り、我々地方都市においても人口減少や少子高齢化といった深刻な問題に今もなお直面しております。一方では、シェアリングエコノミーやSDGs、人工知能やIoT、ビッグデータなどといった様々な社会の変化や技術の進歩が我々を取り巻く環境を劇的に変えてくれました。では、私たちに求められるこれからの未来でのあり方とはなんでしょうか。近い将来AIを用いた様々なサービスは想像をはるかに超えたスピードで広がり、そしてまだまだ浸透していくでしょう。しかし、そのAIの生みの親が人間であり、また使うのも人間であることを忘れてはいけません。その急速に変化を遂げる時代だからこそ、人と人が互いに手を取り合いながらより良い社会環境を創っていく。それこそが我々青年会議所が目指す「明るい豊かな社会の実現」に繋がるのではないでしょうか。そして、なにより私たちが住むこの加賀をより良くするためにも、皆で地域を支え、自らが地域をより良くしようと行動を起こす人々を育てることが大切です。加賀の明るい未来のために行動を起こす、またそれらを応援しようとする人々が加賀に溢れ、より良い未来に繋げる活動が展開されていけば、どのような困難や社会変化が起きようとも力強く加賀は発展していきます。それこそが、我々が目指す未来への一歩となり、明るい豊かな加賀への新たな時代の一歩となると確信します。

基本理念

~加賀青年会議所の存在意義~

昨今、人口減少や人口流出、経済状況の悪化などを背景に全国の青年会議所は減少の一途を辿っています。そのような中、我々公益社団法人加賀青年会議所でも今から6年前の創立50周年の節目に比べ、会員数はここ数年で約半分となり、メンバー在籍年数の減少に伴う組織力の低下といった問題もあり、組織の存続すら予断を許さない状況となりました。我々はこのような状況だからこそこれまでの経験を活かし、知恵を絞り、他人事ではなく自分事と捉え、自らが行動することが大切だと考えます。では、そもそもJCがなくなって困る人は誰でしょうか。「明るい豊かな社会の実現」という目的を掲げる我々青年会議所がなくなった時、地域や子どもたちにとって本当に困ると実感されるのでしょうか。「JCしかない時代」から「JCもある時代」と言われるようになりました。だからこそ我々公益社団法人加賀青年会議所は、これからも活動の範囲や可能性を狭めることなく時代の変化に対応し、また物事を一つ一つ見極め、常に時代の流れを先駆けすべく、その方向性を追求していくことが重要だと考えます。組織のあり方や地域のオピニオンリーダーとしての役割、これからの新たな時代を担っていく青年としての自覚を持ち、まさに地域や子どもたちにとって必要な時代の先駆者として行動してまいります。

そして、青年会議所活動は20歳から40歳までの限られた時間の中でしかできません。人生の中で青年会議所活動を通じて共に学び、汗をかき、時にはぶつかり合いながらかけがえのない仲間を創ることは今しかできないのです。人は人でしか磨かれません。その磨かれる機会は、共に苦楽を過ごし、物事に真剣に向き合ってこそ、多くの気づきや絆が生まれるのだと思います。我々はこれからも志を同じくする仲間を増やし、共に力を合わせてこの加賀に勇気と希望を与えられる、そんな青年らしい情熱を持った同志たちと更に邁進してまいります。

 

基本方針

~加賀JC宣言 加賀維新の先駆けとなれ!~

 今年度、公益社団法人加賀青年会議所は創立56年目を迎えます。創立50周年の節目に発表した「加賀JC未来構想 まんなかが!」の具現化を目指し、世代と地域、組織の三つの要素を軸に加賀の真ん中に立って様々な事業の展開を行ってまいりました。そして昨年、創立55周年の節目の際には、更なる磨きをかけるべく、改めて我々の存在意義と今後の新たな方向性「加賀JC宣言 加賀維新の先駆けとなれ!」を打ち立て、新しい時代への一歩を踏み出す年となりました。

我々が住むここ加賀には、まだまだ明るい加賀の未来を創るための財産が存在します。歴史や文化、伝統工芸や自然、食といった加賀にしかない個性を見つめ直し、固定概念に縛られず、物事をあらゆる角度から捉えて新たな発想で想像することや、今あるものを活かし、楽しいことや面白いこと、誰もがワクワクするような発想でより良い地域を創造し、未来に可能性を感じさせることができれば、必ず加賀のために行動を起こす人々で溢れるはずです。そのためにも、我々自身が率先して加賀に住む人々との間に、この生まれ育った地域を少しでも良くしていこうという想いを広め、狭い視野だけで考えるのではなく、あらゆる情報や知識を組み合わせて新たな形を創り出し、取り入れることが大切です。また、それらの想いに共感してもらえる人々と一緒になって未来を創り出すアイデアの実践に取り組むことができれば、これまで以上に勇気や希望がもてる、夢に満ち溢れた加賀の理想像へと近づくはずだと確信しています。
いつの時代も地域の未来を切り拓いてきたのは若い青年の力です。どんな困難にも臆することなく立ち向かい、青年らしく情熱を持って挑戦を繰り返し、覚悟を持ってこれからも加賀の明るい豊かな未来を繋ぐ架け橋となってまいります。

【未来創造室】

加賀市には大学がありません。高校生は卒業してから就職、または進学ということで故郷を離れていく子どもたちが多くなりました。こうした子どもたちがいったん外へ出て行ってしまうと戻ってこない。これは今、加賀市だけが抱える問題ではなく、日本全国地方都市が抱える地方離れという問題です。ではなぜ彼らは生まれ育った故郷を離れ、戻ってこないのでしょうか。その理由として三つ考えられます。まず一つ目に、故郷の良さを理解する機会が少なかったからだと思います。外に出て初めて故郷の良さに気づきます。この加賀市には、長い歴史の中でたくさんの人々の手によって培われてきた、誇るべき地域の魅力や個性が多岐にわたり存在します。それらの特性を学び、そして更に活かすことで故郷の良さに改めて気づいていただきたいと思います。そして二つ目は、人との繋がる機会が少ないということです。日頃から身近な人や地域の方々、これまで一緒に育った仲間とですら繋がる機会が少なくなれば、いったん故郷を離れてしまった後に、こうした人々と再び繋がりを持つことは厳しいでしょう。そして、こうした繋がりを持っていない若者が何か故郷でやっていこうと考えた時に、なかなか行動に移せないのが現実です。仲間や知人がいない。そういった悩みを解決させるためにも、小さいころからたくさんの人と触れ合い、繋がる機会を提供し、自らが行動を起こす、協働することのきっかけとしていただきたいと思います。そして三つ目最後に、自らの力で未来を創り出す方法を知らないということではないでしょうか。この生まれ育った故郷に戻って何かをしたい、でも何からすればよいのかわからない。そういった若者を少なくするためにも、地域の人や仲間と協力し合いながら故郷の現状を学び、その知識を応用しながら未来を創るアイデアを生み出す力を養っていただきたいと思います。

 

【地域創造室】

加賀市には日本海に面した新鮮な魚介が水揚げされる漁港や、古くから九谷焼や山中漆器をはじめとする伝統工芸が盛んで、豊かな自然と趣深い歴史が各所に存在しています。また、山代、山中、片山津の三つの温泉を有する加賀温泉郷としても知られ、新幹線金沢開業を機に多くの観光客で賑わいを見せる恵まれた地域でもあります。しかしながら、この加賀には様々な課題が山積みです。人口減少や少子高齢化、都心部への人口流出や農業・商業の衰退など数えればきりがありません。その山積みになった課題を解決させるためにも、改めて加賀に住む我々がこうして恵まれた地域資源を更に有効活用する必要があるのではないでしょうか。このまま時代の変化と共に「自分がやらなくても誰かがやってくれる」、「あの団体に任せればいい」といった傍観者的な考えでは決して地域は活性化されません。創立50周年の節目に発表した「加賀JC未来構想 まんなかが!」。加賀市の各地域や各世代、様々な組織と連携しながら地域を見つめ直し、他にはない誰もが誇りに思える個性、「加賀ブランドの確立」を目指してまいりました。これからも歩みを止めることなく更に磨きをかけると共に、我々のこれまでの活動に共感を持ってもらえる人々と故郷加賀のために何かをしたいと行動を起こそうとする想いを、広く地域へ広めていただきたいと思います。そして近年、公益社団法人日本青年会議所や全国的にも大手企業を中心に推進され、石川県内でも取り組みが活発化されているSDGsの観点から時代の流れや社会の変化を敏感に捉え、地域のおかれている状況や個性・特性を充分に理解しながら活用し、未来を創るアイデアで課題を解決する力を養い、そして実践に取り組んでいただきたいと思います。
我々は加賀を明るい豊かな社会にするために活動をしています。一人では成し遂げられない願いでも、大切な仲間と信頼できる地域の人や様々な組織、多くの人々を巻き込んで、手と手を取り合って協働することができれば必ず願いは叶うはずです。そして、この生まれ育った加賀に感謝し、自らが率先してこの加賀のために何かしたいと思える仲間を増やし、加賀を愛する人財づくりにも取り組んでいただきたいと思います。

 

【事務局】

組織の中枢且つ根幹を支える事務局には、最も重要とされる理事会や総会、各種会議において、有意義な議論が交わせる場となるようにルール徹底をし、会員一人ひとりの時間を大切に、規律ある組織運営を心がけていただきたいと思います。また、各委員会と密な連携を図り、互いに思いやりを持って、意思疎通を図りながら事業計画ができるようにサポートを行っていただきたいと思います。
広報においては、我々公益社団法人加賀青年会議所の活動においての存在意義と認知度拡大をあらゆる媒体を最大限に活用し、幅広く情報発信を心がけていただきたいと思います。また、卒業式では卒業生のこれまでの功績を称え、敬意をもって皆が楽しく、思い出に残る事業にしていただきたいと思います。

 

【財政特別理事】

我々の活動は会員の大切な会費によって運営されています。その会費が1円でも無駄なく有意義に活用できるよう厳密に精査を行い、事務局や各委員会と密な連携を図っていただくと共に、各事業の費用対効果の検証を行っていただきたいと思います。また、公益社団法人として適正な会計処理やコンプライアンスの観点からの適正な審査、そして、監督官庁の窓口として機能し、各種書類を正確に作成することや内部・外部問わず透明性の確保に努めていただきたいと思います。

 

最後に

 「あなたがこの世で見たいと思う変化に、あなた自身がなりなさい。」

これは、インドの独立の父と称さるマハトマ・ガンジーの言葉です。たとえば自分自身が「こんな世界になってほしいな」「こんなふうに世界が変わってほしいな」と想うのならば、その変化にあなた自身がなりなさい。というものです。願望だけで終わらせず、他人任せにすることなく、自分自身がその変化になる。今この瞬間に自分ができることはなんなのか、自分だけを中心に考えるのではなく、周りに期待するだけで何もしないで待つだけでは、いつまでたっても変わることはできません。かけがえのない仲間とこの一瞬一瞬を楽しみ、愛する加賀のため、これからの未来を担う子どもたちのために誰よりも加賀の理想像を創造し、心躍る活動を全力で楽しみましょう。そして、我々一人ひとりが見てみたい加賀の未来像を想い描き、自らがその未来像へと変化していきましょう。「明るい豊かな加賀の実現」のために。
一年間どうぞよろしくお願い致します。

公益社団法人加賀青年会議所 第56代理事長  菅本 勇気